「思索する羽生結弦」(第7回)【最終回】感想

2025年9月13日土曜日

Deep_Edge_Plus 羽生結弦 永井玲衣

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前回はやたら濃密でしたが、この最終回は「振り返り」という主旨なので、サラっとフィナーレを迎えた感じでしたね。

「問いだしの後、『境界線』という言葉がスタート地点になったんですけれども、そこから当事者性ってどういうことか、絶望と希望、あるいは感情の話という風にどんどん連なっていったんですよね。割と対話が転がっていくことを恐れずに行けたっていうのもすごくうれしかったですし、考えながら話すことができたことが、すごくうれしかったです。あらかじめ決まっていることをぶつけ合うっていうよりは、生まれてくる言葉を一緒に確かめていくっていうことができて、すごくよかったです」(永井)

「だれそれ先生の『境界線』の定義によれば・・・」みたいな議論をする場合、もし参加している人があらかじめ知識を共有しているのであれば、議論の急所を外さずに意見交換できるメリットがあります。ただ、話がマニアックな部分であーだこーだ言い合う結果になりがちで、「そもそも、なんで境界線の話になったんだっけ?」というもともとの目的を見失ってしまうこともありえます。

今回の羽生さんや記者さんは、哲学の正式なトレーニングを受けた方々ではないですけど、皆さん個々の問題関心を強くお持ちで、特に「当事者性」とか「空気を読む」といったテーマについての対話では、それぞれの具体的なエピソードを提示してくれたので、一読者としてとても分かりやすかったです。

「ぼく、ちっちゃいころに生きているのか、生きていないのかがわからなくて、ずっと。自分がその…今日、目を閉じて夢を見たら、夢の世界が現実であって、起きて目を開けてしゃべっている時も、それが夢なんじゃないかみたいなことを考えたりとか」

 

しかもフィクションみたいな人生を送ってしまっているんで(笑)。それこそ運命にあらがえないだろうって思ってしまうようなところもあったりするし」 

前段の部分は、まさに、荘子の「胡蝶の夢」ですね。でも、そんなあなたの演技を観て、「この目の前で起こっていることは現実なのか?」と、終演後足元もおぼつかず、何に乗ってどうやって帰ってきたのかさえよく覚えていない、ってな思いを毎回するのが私たちなんですよ(笑)。

「フィクションみたいな人生」というのは、五輪連覇のことではなく(だってそれを明確な目標にしていたと公言していますし)、おそらく「GIFT」以降のIce Storyやnotte stellataでのレジェンドたちとのコラボのことなんだろうと思います。

特に前者については、前代未聞のビッグプロジェクトですから、そりゃもう、羽生さん自身でコントロールできない「仕事」が山ほどあるわけで、それこそ「レールに乗せられているという感覚」なのかもしれません。

でもそれは、「担ぐ神輿は軽いほうが・・・」みたいな実力の無い人間が持ち上げられているのではなく、明日ご紹介する「BOW AND ARROW」の舞台裏企画(Quadruple Axel 2025)で、プロデューサーの大野瑞樹さんが、「(羽生さんは)映像のプロとしてガチンコ勝負ができる相手だから」と語っていたように、きっとスタッフの皆さんも自己を高められると確信しているからこそ、あれだけ大人数のプロ集団の方々が集ってくださっているんですよね。

フィクションを次々と現実にする男、羽生結弦。いいじゃないですか!私たちもそこから置いていかれないように、心身ともに鍛えて、来年春を楽しみに待ちたいですね。

では、また明日!

Jun

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